認知行動療法とは
嫌なことがあれば、誰でも気分は落ち込みます。それが何週間も続くかどうかを分けているのは、出来事そのものではなく、そのあとにできる悪循環です。
考えかた・気分・行動は、つながっている
3つはたがいに引っぱり合っています。ひとつが下がると、残りの2つも引きずられる。認知行動療法が着目しているのは、この関係です。
たとえば、会議で強く叱られた日。
- 「自分は仕事ができない」と考える
- 気分が沈む
- 人と話すのを避け、誘いを断る
- できたことが減り、「やはり自分はダメだ」と考える
4つめが1つめに戻ります。ここで悪循環が閉じます。
きっかけが消えても、悪循環だけが残る
叱られた日から時間がたち、上司がもう何も言わなくなっても、悪循環は回りつづけます。始まりの出来事は終わっているのに、悪循環だけが自分で自分を回している状態です。

※ アプリの中では、この悪循環を「うつのサイクル」と呼んでいます。
性格の問題ではない
悲観的に考えるクセがつくこと。楽しみを与えてくれる活動が減ること。この2つがそろうと、落ち込みから抜け出しにくくなります。意志の強さや性格ではなく、悪循環の形の問題です。

気分に、直接は手が届かない
「元気を出そう」と思って元気が出るなら苦労はありません。気分は、何かをした結果として動きます。だから手をつけるのは、残りの2か所です。
行動からほどく ─ できた
落ち込むと、楽しめていたことができなくなります。すると気分を上向かせる体験が減り、「自分には何もない」という考えが強まる。ここを逆に回すために、小さくても動けたことを1日ひとつ記録します。

考えかたからほどく ─ 別の見方
反射的に浮かんだ考えを、事実に照らして見直します。その考えを打ち消すのではなく、同じ状況に対する別の見方を、もうひとつ隣に置く。それだけで気分の重さが変わります。

先に、自分の悪循環の形を知る ─ 状況整理
悪循環の回りかたは人によって違います。どんな状況から始まり、どんな考えが浮かび、何をやめてしまうのか。いちど書き出しておくと、次に落ち込んだとき、自分がどこにいるか分かります。

3つの使い分け
毎日今日できたこと・楽しめたことを、ひとつ
月に1度落ち込むパターンを、4つの問いで
いやなことがあった日その日の考えに、別の見方をひとつ
※ アプリの画面では、できた=「FunCan」、状況整理=「U2サイクル」、別の見方=「コラム」と表示されています。
このガイドの要点
- 落ち込みを長引かせるのは、出来事ではなく、考えかた・気分・行動の悪循環
- 気分は直接は動かせない。動かせるのは「行動」と「考えかた」
- 毎日=できた/月に1度=状況整理/いやなことがあった日=別の見方